前回はビットレートについて「一体何なのか」、という事をお伝えしましたが、今回はこのビットレート、どれくらいにするのがベストなのか、という事を中心にお話ししていきたいと思います。
※ちなみにビットレートについては、ファイルを右クリックして「プロパティ」の「詳細」タブから確認が出来ます。
■【音質とサイズ】
前回お話しした通り、MP3でのビットレートの上限は320kbpsですが、ビットレートが高いとファイルに詰め込まれる情報量も増えるため、当然その分サイズも大きくなってしまいます。
とはいえ、MP3のビットレートの大小に関しては、そこまで極端なサイズ変化があるわけではないので、実はあまり気にするほどではなかったりするのですが。
■【再生環境や可聴域との関係】
一般的に、CDに近い音質で聴くには128kbps 以上必要となるのですが、128kbps~192くらいまでのものだと、再生環境にもよりますがそこそこ良いスピーカーやイヤホンを使っている場合は意外と音質に違いが出てきます(主に高域や奥行き、音の密度感等)。
それよりも高ビットレートのものになると(256kbpsや320kbps)、相当耳の良い人やエンジニアの人が聞き分ける気でしっかり集中して分かるかも、というレベルですし、そもそも普段使っているような再生環境では音質差を再現しきれないので、耳の良さ云々以前に環境的に聞き分ける事が不可能な場合が多いです。
逆に128kbpsより低いものになると、PCのデスクトップスピーカー等で聴いても分かるくらい顕著に音質の悪さが目についてきますので、「ラジオのような質感で聴きたい!」とか「ギザギザした音質で編集をしたい!」というような場合でなければ敢えて落とす必要もないかと思います。
■【結局どのくらいのビットレートにするのが良いのか】
基本的には128kbps以上、というのを標準に考えて、あとは自分が良く利用する再生環境音に併せて決めて頂くのがベストとなります。
普段からスピーカーやイヤホンで音楽を聴いていて、音質も気にするという方であれば192kbpsくらいにしておくとちょうど良いかもしれません。ファイルサイズも最大ビットレートにするより少し節約できます。
256kbpsとかになってくると、正直違いを聞き分けるのは非常に困難なので、無理にここまで上げる必要もないですが、ハイエンド機器等の非常に高度な再生環境をご利用で音質にかなりのこだわりがある場合はこの辺りでも良いかもしれません。
320kbpsまでいくともはや気持ちや空気の問題になってくるので、基本的に人間である以上聞き分けるのは無理かと思われます。気持ちや形から入るという人向けです。
ただ、最近はストレージも容量の大きなものが多いので、容量の節約を行う必要がなければ何も考えずに320kbpsにしてしまうというのもアリかもしれません。
■【注意点】
ビットレートが高いほど音質が良くなる、というのは前述の通りなのですが、何度も変換を行うといくら高ビットレートであってもその分音質は劣化しますので、変換はなるべく大元となるデータから行った方が良いです(例えば同じ192kbpsのMP3ファイルでも、大元となるデータから1回だけ変換を行ったものと、2回3回と変換を行ったものでは、後者の方が音質が劣化します)。
■【最後に】
長々と4回にわたりMP3(とついでにビットレート)についてお話してきましたが、今回で最後となります。お付き合いいただきありがとうございました。
豆知識として何かにお役立頂ければと思います。