音楽を聴く時、取り込む時、変換する時etc…度々耳にするMP3という単語。
現在恐らく最も普及している音声データの形式であり、多くの人が当たり前のように使っているものです。
Audials Tunebite 2016 Platinumでも、音楽を録音する際の保存形式は、推奨する形式として初期設定でMP3になっています。
今回はこのMP3という形式が、一体どのようなものでどんなメリットがあるのか等について、なるべく分かり易く書いていきたいと思います。
■【MP3とは】
通常、CDに収録されている音楽の記録精度は16bit・44.1kHzになっており(この「~bit」や「~kHz」の数値が高いほど音質は良いとされます)、これは無圧縮ですのでそのままだとかなり重たいファイルとなってしまいます。CDに限らずですが、こういった無圧縮の音声データを圧縮して軽くし、少ない容量で保存するデータ形式がMP3です。
■【どうやって圧縮してるの?】
その圧縮方式は、ざっくり言ってしまうと「人間が聞き取る事や判別する事の難しい様々な部分を思い切って全部削る」というもので、これにより人間の聴覚的にはCDに近い音質のまま、サイズを約10分の1程度まで軽くする事が出来ます。
もう少し具体的に言うと、「人間が聞き取れないレベルの音域・音量のものをカットしたり、マスキング効果(大きい音が鳴ると、それに近い周波数の小さな音が聴こえにくくなる現象)を利用して周波数の近い音を削ったり、更にそれに数学的な圧縮処理を加えたりしてデータサイズを軽くしている」、といった感じなのですが、あまり深く考えず「必要ない部分をカットしている」くらいの認識で大丈夫です。
■【MP3にするとどうなる?】
MP3に変換する事で、例えば元の形式がWAVだったとすると、50MB程あるサイズのファイルが5MB程まで圧縮できたりもします(ファイルによって実際の圧縮率には差異がありますが)。
(WAVは記録精度がCDとほぼ同じで、実際の音質もCDと同じくらい良い形式なのですが、無圧縮の音声形式ですので、その分ファイルも重くなります。)
■【音質は本当に変わらない?】
勿論MP3がいかにCDに近い音質で聴ける形式だといっても、色んな部分を削って圧縮しているため、劣化していないわけではないですが、「性能のいいスピーカーやヘッドホン、再生環境をご利用の際に意識して聴くと音のスカスカ加減や劣化具合等が気になる人は気になるかも」、という程度のもので、市販の一般的なスピーカーやイヤホンで普通に音楽を聴くくらいであれば、全くと言っていい程問題ありません。実際、音質は形式そのものよりも再生環境に左右される部分の方がかなり大きいです。
その2へ続きます。